みなさまご無沙汰しております、オランジュベールのパティシエ鈴木です。
今年もギリギリまで暑かったのに急に寒くなって、飼っている猫も布団に乗っかってくるような時候になってきました。
衣替えも秋がないまま冬支度ではありますが、みなさんは如何お過ごしでしょうか?
さてそんな今日此の頃ではありますが、タイトルにもありますようにそろそろ冬支度ですが、衣替えの話題ではなく、デザートについてお話ししようかと思います。
昨年もブログで触れたかもしれませんが、今年も12月、クリスマスシーズンがやってくるということで、最近お菓子屋、パン屋だけでなくコンビニやスーパーでもよく目にするシュトレンを仕込む時期になってきました。
シュトレンとは、キリスト教の修道院でクリスマスの4週間前(アドヴェント)の時期に焼く特別なパンとして最古の記録としては1329年に書かれた文章が残っています。
今ほどリッチな内容ではなく質素なものだったようですが、15世紀にシュトレンを焼く職人たちにバター使用禁止令が解除されてから、1500年頃ドイツのドレスデンのクリスマス市にシュトーリツェルの月曜日と言う日がもうけられクリスマスの前の月曜日にクリスマスのパンとしてシュトーリツェル(棒状のパン=シュトレン)が売られるようになりました。
今の形になってきたのは19世紀にザクセン王国での関税や間接税のいくつかが撤廃となり、産業革命により物流が早く、大きくなったことで小麦粉、砂糖、レーズン、アーモンド、レモンなどが調達しやすくなったことで家庭でも盛んに作られるようになりました。
ドレスデンではシュトレン祭りがあり、巨大なシュトレンか作られ(重さ3,950kg長さ4.10m幅1.77m高さ87cm)たりしているそうです。
ドレスデンシュトレン保護協会では定義も細かく決められており、詳細は省きますが、伝統的に長く愛されているお菓子であることは間違いないでしょう。
ちなみにドイツではシュトレンが真っ二つに割れたりするのは不幸の印ともいわれているので、シュトレンの取り扱いは丁寧にしましょうね。
さて長々と蘊蓄を垂れましたが、こちらが今年のオランジュベールのシュトレンです!
レーズン、チェリー、イチヂク、オレンジなどのドライフルーツをシナモン、ナツメグなどのスパイスとオレンジのリキュールで漬けたものをたっぷりのアーモンドを織り交ぜて焼き上げたものをバタート砂糖でコーティングしたものです。
冬の間はデザートビュッフェに必ず入ってますので、お越しの際は是非お手にとって召し上がってくださいね!
皆さんのお越しをおまちしております!
それではまた!