毎度ご無沙汰しております、オランジュベールのパティシエ鈴木です。
日に日に日脚が短くなって秋から冬へと移り変わりを感じるようになった今日この頃ですが、皆様お風邪など召してはおられないでしょうか?
さて今回は、お菓子を作らない仕事の話をしようかと思います。
私の仕事はパティシエなので、お菓子を仕込んだり、ウエディングケーキに使うジェノワーズ(スポンジ生地)を焼いたり、マジパンなどの細工ものを作ったりがメインではあります。しかし仕事中でもお家でも常にできる大切な仕事が実は沢山あります。
それは情報の収集と整理、そしてそれらの活用です。
情報の収集とは専門誌やレシピ本などを読むなども勿論ですが、テレビを観ていても、ケーキ屋さんなどのパティスリーを見に行くのも、コンビニに行くのも、スーパーに日々の買い物をしにいくのも全て含まれます。
テレビでは流行のスイーツを特集する番組はしょっちゅう流れていますし、ケーキ屋さんは見るだけなら無料で飾り方や組み合わせ、形を見ることができます。コンビニには次から次へと季節に合わせた、マーケティングされて、流行を取り入れた新商品が並び、スーパーには旬のフルーツが色とりどりに売られています。
スマホをちょっといじればデザートのレシピが溢れて、盛り付けや映える写真が氾濫しています。
ただ其れらを眺めているだけでは実は何も生まれてくることはなく、その中から取捨選択をして整理しておくことが大切かなと、そしてその情報をどう日々の仕事に活かしていくか。
そこでどう活用するかというと季節ごとの婚礼のコースのデザートを考えるというところに話が進みます。
日々の様々な情報からイメージを膨らませて、季節にあったフルーツ、食感などのテクスチャーの組み合わせ、使うお皿のイメージ、盛り付けなどを考えて行きます。
これは仕事中よりもお家でリラックスしていたり、お風呂に入っていたり、トイレ(失礼)だったり、家族と話をしているときなどにフワッと湧いてくることが多いのです。
またこの作業はとても楽しいので、大体いつもしています。
半分妄想みたいなものです。
(ボンヤリしているように外からは見えているかもしれませんね)
テレビで観た美味しそうなお菓子に、ケーキ屋さんで見た素敵な飾り付けを真似して、とイメージを詰めていきます。
勿論考えてるだけではデザートは完成してくれないので、その中から仕込みの段取りや、予算、そのコースとの兼合いなどを加味して、試作を繰り返してようやっと完成します。
実際つくってみたら思ってたのと違うことも多々あります。また思っても見なかった新しいものができることもあります。
それも含めてデザートを作るということの楽しさがあるのかなと思います。
またそこから生まれたデザートを楽しんでいただければこれに勝る喜びは無いのです。
是非結婚式をお考えの方も、ご参加される方も、細やかなものではありますが、主役のお二人を祝福されつつも想いを込めて作った、或いは日々の妄想から作られた、デザートも楽しんでいただければと思います。
長くなりましたが、また機会があれば色々書きたいとおもいますので、宜しければご笑覧下さい。
追記 冬メニューは完成してしまったので、今は春メニューで妄想を楽しんでおります。